2016年3月6日日曜日

紅白梅図屏風

熱海にあるMOA美術館が今年の3月から一年間リニューアルのために休館になるということで、最後の展示を観に行ってまいりました。
MOAの入り口は山の中腹にあり、そこから何度もエスカレーターに乗って登っていくと、やっと入館出来ます。
リニューアル前最後の展示ということで、有名作品が数多く並んでいましたが、中でも尾形光琳「紅白梅図屏風」が圧巻でした。
江戸時代の往年から洗練された画面構成で有名だった光琳ですが、現代から見てもスタイリッシュで飽きの来ない作品です。
紅白梅図屏風は、横長の金色の画面の中心に黒い水流があり、左右に紅白の梅があります。これまで精密な絵を描いてから周りに金箔を貼っている絵なのかと思っていましたが、初めて間近で観て、どうやら違っていることに気づきました。まず金箔の地を作りそれからその上に墨で梅と水流を描いているようです。これは、間違いが許されない中で一回で線を決めなければならず、光琳の非常に卓越した腕が伺えます。
また、水流には銀を酸化させて用いたとの解説もありました。金銀、黒のなかにごくわずかな赤、白、緑青を使うという限られた色でこんなにもインパクトのある独創的な世界を描いていることも見所の一つです。
最後の展示で、素晴らしい作品を観ることが出来、充実した一日となりました。リニューアル後も楽しみです。








 
 

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