2018年12月17日月曜日

「ギャラリー・カフェ飛ぶ魚」さんに行ってきました

湯河原の山に佇むギャラリー・カフェ、「飛ぶ魚」さんで、絵本作家の田中清代先生の原画展がやっているというので行って参りました。ゆめ公園に向かうバス通りを一本入ってから、物語の風景のような木漏れ日の小道を通ると、別荘のような白い瀟洒な建物があって、それが飛ぶ魚さんです。テラスからはミカン畑と相模湾が一望出来て、別世界に来たような爽やかな見晴らしです。

田中清代展では、田中先生の人気の絵本の中でも、特に目玉作品「くろいの」という絵本の原画がすべて展示されていました。物語は、主人公の少女が子どもにしか見えない黒い不思議な生き物に出会い、それに導かれて着いていくと……という話なのですが、子ども心を思い出させてくれ、どきどきするような興奮を覚える話です。
印刷された絵本を見た時にはペン画なのかと思っていましたが、実物はなんと銅版画でした。銅版画は、ニードルで削った隙間にインクを詰めてプレスして刷るので、黒くするには繰り返しの削り作業が必要になります。この絵本は、物語が進むにつれて真っ暗な画面が増えてくるので、細い針で銅板全部に夥しい量の線を削ったのだなと思うと、その作業量に感動もひとしおです。

現場には田中先生本人がいらっしゃったので伺うと、一枚彫るのに3週間ほどかかったとのことでした。一冊の絵本を作るのに、とてつもない仕事なのだなと実感しました。先生の絵本は、銅板だけでなく、優しいタッチの水彩から、ダイナミックで面白い作品まで、さまざまな画材と絵柄で描く、幅広く多才な作風が見られます。どれも子ども心を掴んで離さない絵本ですので、お子様がいる方はぜひ、本屋さんで手に取ってみてください。

★飛ぶ魚さんのHPで展示の風景が分かります。→ 飛ぶ魚さんのHP
★外観はこんな感じです。→ 外観




サインをいただきました!


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