炎天下の夏の日、上野動物園へ行ってきました。目的は「日本やまね」に会うことです。やまねはヤマネ科ヤマネ属の齧歯類で、漢字で「山鼠」と書く通り、どこか鼠に似た小動物です。国の天然記念物とされている日本やまねは、絶滅危惧種に分類されていて、日本の動物園でもごく限られた場所でしか見ることはできません。
ついこの間パンダが生まれたばかりの上野動物園では、入るなりパンダの大きい広告や案内でいっぱいでした。日本やまねのいる小獣館は広大な上野動物園のずっと奥、不忍池のほとりにあります。パンダを見ずに真っ先に小獣館まで行きました。
数分歩くだけで汗をかく猛暑日ですが、小獣館は幸い夜行性動物のために温度をかなり低くしてありました。電気もごく暗く、目が慣れないとどんな動物がいるのか分かりません。こうもりやももんが、マヌルネコなど、たくさんの珍しい動物を通りすがり、やっと日本やまねのガラスケースを見つけると、肝心のやまねが見当たりませんでした。巣から顔を出さないかとしばらく目を凝らしていると、なんと、ケースの天井に張り付いてじっとしている影を発見しました!
まったく動かないやまねを観察すること十数分、ふと動き出したやまねは木を伝って下りてきて、可愛い顔を見せてくれました。それから二時間ほどやまねを観察しましたが、説明書きに「森の忍者」とあるように、動かないときは影のように景色に紛れ、行動するときは目にも留まらず俊敏です。
日本やまねは絶滅危惧種なので飼うことを禁止されていますが、別のケースにいたアフリカヤマネは飼育可能です。手元に置きたければアフリカヤマネを飼うといいですね。日本やまねと同じ可愛い外見をしていますが、日本やまねの特徴である背中に焦げ茶の線はアフリカヤマネには無いのだけ残念です。日本全国に細々とファンがいるやまねなので、これからもっと増えていって、絶滅危惧種のリストから外れていってほしいと思いました。
小獣館の入り口
夜行性なので、昼夜逆転の環境を作っています。
人気のマヌルネコ。
目がぱっちり!
森の忍者。すばしっこいですが冬はずっと冬眠します。
天井にひっそりぶらさがっています
下りてきてくれました。ケース内の灯りは赤いです。
ちょろちょろ動きます。
木に登っては静止。
アフリカヤマネもいました。(看板しか撮れませんでした)